酢豆腐(すどうふ)
●夏の盛りに、町内の若い衆があつまって一杯やる相談をしていた。酒はあるのだが、銭がないので肴がない。糠味噌の古漬けはあるのだが、臭いので誰も糠味噌樽に手を突っこもうとしない。昨夜買った豆腐があったが、与太郎が鼠がかじるといけないと釜のなかにしまったので、暑気にやられて腐ってカビが生えていた。そこへやってきたのが、気取っておつにすました若旦那。若い連中は、若旦那を食通だのなんだのとおだてあげ、この腐った豆腐を食べさせてしまう。『若旦那、これはなんてぇ食べものでございます?』『私が思うに、これは酢豆腐だな』『酢豆腐ですか。さすが若旦那よく知っていますね。沢山食べてくださいよ。』『いや、酢豆腐はひと口に限ります。』
(http://www.asahi-net.or.jp/~uk5t-shr/sutouhu.html より転載)
桂文楽(8代目) 酢豆腐 「おやっ、こんつわ(こんにちわ)」「もちりん(勿論)です」とキザな若旦那が絶品。文楽は聞かず嫌いだったが、結婚歴は5回。と聞きマジメ一方にイメージが崩れ見たら最高だった。
(YouTubeコメントより転載)
現行の「酢豆腐」は、前述の初代柳家小せんが型を完成させ、それを継承して昭和に入って戦後にかけ、八代目桂文楽が十八番にし、現在出ているCD、速記の多くが文楽のものです。
この師匠のは、何やら半可通が幇間じみるのが気になるのですが。
(http://senjiyose.cocolog-nifty.com/fullface/2005/08/post_8efa.html より転載)