転失気 (てんしき)
●あるお寺の住職、腹具合が悪いのでお医者さんを呼んで看てもらった。帰りがけ、お医者さまが「ときにお住持、テンシキはありますか?」と訊ねる。住職は「テンシキ」という言葉の意味がわからなかったが知ったかぶりをして「・・・いや、ございません」と答えてしまう。お医者様はそのまま帰るが、住職は気になってしょうがない。小僧の弁長を呼びつけ、「おまえはテンシキという言葉を知っているか」と質問。弁長が「知らない」と答えると「馬鹿者。だからおまえは修行がおろそかなのだ。このあいだ教えたばかりではないか。これからご近所の花屋さん、八百屋さんに行ってテンシキを借りてきなさい。そしてしっかりと覚えるのだ」と理不尽な小言。小僧の弁長はまず門前の花屋へ。主人にテンシキはありますかと問えば、「昨日まであったが、お客様が床の間に飾りたいと買っていってしまった」という。次に八百屋へ行くと「ついさっきまであったが、昼食のおつけの具にしてしまったよ」という答え。チンプンカンプンのまま寺へ帰る弁長。花屋、八百屋の答えを住職に報告すると「仕方がない。ではお医者様のところへ行って、先生に訊ねなさい。いいか、あくまで自分が知らないのでお伺いしますと言うのじゃぞ」と言われる。お医者様のところへ出かけ、「テンシキ」の意味を正直に訊ねる弁長。果たして「テンシキ」の意味は・・・。
(https://www.dplats.jp/kura/asp/itemdetail/rakugo-dl-00110/ より転載)
三代目金馬師の「転失気」です。
以前、生放送でお席亭が「面白い転失気に出会った事がない」と仰ってましたが、私も何かそんな覚えが・・・で、金馬師ですが、やはり違いますねえ
正直この噺で初めてと言って良い位、笑ってしまいました。
他の噺家さんと違う事を言ってる訳では無いのですが、間と言うか絶妙でしたね。
やはり金馬師は名人だ!
(http://blog.livedoor.jp/isogaihajime/archives/1004516.htmlより転載)