らくだ (らくだ)
●長屋の嫌われ者で暴れん坊の「らくだ」がフグに当たって死んだ。最初に見つけた兄貴分は通りかかった屑屋を大家の家に使いに出して、通夜の為に酒と料理を要求するが断られる。それじゃとばかりに、嫌がる屑屋をこき使って、死人を担いで大家の前でかんかんのうを踊らせると大家はたまげて、酒と料理を差し出した。同じ手口で棺桶代わりに八百屋の菜漬け樽を手に入れる。オドオドしている屑屋に「清め」だからと酒を飲ませると強気に豹変して強面の兄貴分に指図を始めてた。
落合に知り合いの隠坊がいるから焼いて貰おうと二人で天秤棒を担いで辿り着いたら途中で落としたらしく死人がいない。誰でも構わねえと酔っ払って道端で寝ていた願人坊主を突っ込んで焼き始めたからたまらない。
坊主はびっくりして、
「あちら、ここは何処だ」
「焼き場だ、火屋だ」
「冷やでもいいからもう一杯」
(http://mengjian.blog104.fc2.com/blog-entry-29.html より転載)
何時かプレゼントでもらった米朝全集のDVDの中にも「らくだ」があったので興味深くその封を切って鑑賞した。 日頃ジャズを聴きジャズのスタンダードを様々な演者がそれぞれの個性で表現するのを面白く聴き、落語でもそれがこの「らくだ」を何人かで演じられるのに接し、それぞれの個性が対照されるのに興趣をもった。
DVDではCDとは違い動きが見えるので臨場感がいままでのものに比べて一層加わるようだ。 それに米朝のしっかりとした語りはその資質によるのか荒事というよりごく普通の人々の描写に光るようで、ここでもそれが遺憾なく表現される。
・・・飲めない米朝だと思い違いをしていていたのだが先日ラジオで久しぶりに美声を聴いた毎日放送の元アナウンサー淺川ミチコの、若いときに酒を飲んでいてお互いに分からなくなっていたのか米朝さんに乳房を吸われた、云々と当時の述懐を聴いてここでの酒飲みの描写に一瞬、米朝の若い時の酒修行が想われて別の楽しみを味わった。
(http://blogs.yahoo.co.jp/vogelpoepjp/51199373.htmlより転載)
さて、お話は、「らくだ」 という題名がつきながら主役のらくだが、出てこない。周りの人が「らくだ」 のことを話し、その人物像が浮かび上がってくる、と そういう趣向です。
すなわち、ストーリィの構成が素晴らしいのですよ。もちろん、米朝の語り口がいいから、物語も生きてきてると思うのですが。桂米朝は、柔らかい。ものすごぉく柔和な中に一筋縄でいかんようなところがあって、それがとても魅力です。
(http://blog.livedoor.jp/kani16/archives/12194933.htmlより転載)