品川心中(下) (しながわしんじゅう)
まず、金蔵をお染めの所に行かせ、「今、生き返ったところだ」と話します。
そこに子分の”たみ公”を連れてお染めの所に行き、たみ公を金蔵の弟だと振れます。「たまたま品川に釣りに来たら死体が掛かった。それが兄の金蔵であった」と。金蔵はお前の書いた起請文(年が明けたら一緒になると言う誓文)を持っていたから、お通夜に出て欲しいという。「たみ公、位牌を出せ」と言うが、何処を探しても位牌が無かった。お染めは「イヤだよ。金さんなら、今来ているよ」、「そんなはずはない。見せろ」で部屋に来てみると金蔵の代わりに布団の上には位牌があるだけであった。
お染めは企みとは分からず、おびえて髪を切ってしまった。
そこに金蔵が現れると「まあヒドい。私は坊主になって明日から仕事が出来ないじゃないか」、
「お前があまり客を釣るから、ビク(魚籠と比丘)にされたんだ」。
(http://ginjo.fc2web.com/005inokori/sinagawa_sinju.htm より転載)
(上)に比べて演じられることの少ない(下)だが、談志の録音を聞くとこちらも面白い噺だ。お染に仕返しする作戦もなかなかよく出来ている。
なぜ演じられなくなったかというと、もともとのサゲが「魚籠(びく)」と「比丘尼(びくに・尼僧のこと)」をかけていて、今では分からないし、分かったとしてもたいして面白くない、ということらしい。
談志は「尼」と「海女」をかけたオリジナルのサゲに変えている。他の落語家でも自分なりのサゲを作って演っている人もいるようだ。
ちなみにこの上下は別の日の録音。
(http://blog.livedoor.jp/no_go_tabi/archives/52150434.html より転載)
ニコニコ動画にて