代書屋(だいしょや)
●舞台は昭和の前半。「儲かった日も代書屋の同じ顔」という有名な川柳の通り、堅真面目な主人のいる代書屋を労務者風体の男が訪れ「就職するので履歴書を書いて欲しい」と依頼する。ところが男、物凄い無学で「生年月日は?」と聞かれると「確か、無かったんじゃあ!」と答え、「生まれた月と日は?」とくれば「七夕の次の次の次の日」と答える面倒臭さ。「尋常小学校は2年で卒業した」だの、「はじめて商売をしたのは、日本にツベルクリン(飛行船ツェッペリン)てえ空飛ぶ風船がドイツから飛んできた翌年」「今まではよなぎ屋(川の鉄屑拾い)で暮らしていた」とか「昭和8年8月8日に初めて友達と女郎買いをした」と履歴書にかけない事ばかり言い、書き始めた履歴書は「一行抹消」で惨憺たる有り様になってしまう。業を煮やした代書屋は遂に「あとはいい加減、こっちで書くときますから」と履歴書の捏造に取り掛かるが・・・。
(https://www.dplats.jp/kura/asp/itemdetail/rakugo-dl-00257s/ より転載)
この日のマクラは「ご夫婦で寄席にいらっしゃる、ってのは良いんですよ。帰りの電車の中で会話がはずみますからね…『あの噺家はいつまでたっても上手くならねェな』とか『扇橋は今日も何喋ってんだかわからなかったな』なんて。あのね、扇橋の落語で笑おうってのが間違いなんです。動いている姿を見ることが出来ただけで価値があるんですから」…。入船亭扇橋師匠が『つる』を演じた後の高座だった。
演じられたのは、最初の客の学歴を訊ねるところまで。
サゲは、この時期専用のネタだった。 代書屋「学歴…つまり、学校は?」 男「そんな、40(歳)にもなって、もう学校なんか行って無ェよ」
ここまでは普通。
代書屋「そういうことじゃありませんよ。最終学歴は?」 男「はい、京大でございます」
これでサゲである。
ちょうど京大の入試カンニング問題で賑わって(?)いた頃。ライブの高座ならではですな。
(http://studio7web.blog45.fc2.com/blog-entry-32.html より転載)
ニコニコ動画にて