後家殺し(ごけごろし)
●「後家殺し(ごけごろし)」:常吉という職人が、義太夫を語るのが上手いことを縁に、伊勢屋の後家といい仲になった。そのことを知った常吉の友達がうらやましさ半分おもしろ半分で、「伊勢屋のところの後家さんは最近心変わりして、他に新しい男ができたようだ」とでたらめを言った。しかし常吉はそれを本気にして、思い余って後家を殺めてしまう…。
(http://www.tbs.co.jp/tbs-ch/lineup/v1276.html より転載)
もともと上方落語の切ネタ(大ネタ)で、原話は不詳です。
大阪の二代目桂三木助からの直伝で、戦後、六代目三遊亭円生が東京に移植、独壇場にしていました。
義太夫の素養が不可欠なため、円生在世中もほとんどほかにやる落語家はなく、没後の継承者も出ません。今となると、貴重な噺です。
実際に、高座で義太夫を語る音曲噺なので、「やはり耳で聞いていただくのがいちばん」と、円生も述べています。
円生は、「噺の中の進行のために、浄瑠璃の文句のすべてを節づけず、半分の文句は普通にしゃべりますが、義太夫の素養がないと、節の場合とちがって自然に出てこないものです」とも、語り残しています。
この噺や「豊竹屋」などは、少年時代、プロの義太夫語りだった円生ならではのもの。
こうした噺を自在にこなせる落語家は、もう出ないでしょう。
(http://senjiyose.cocolog-nifty.com/fullface/2006/11/post_b0af.html より転載)
TBSチャンネル「落語特選会」にて