茶の湯(ちゃのゆ)
●蔵前のとある旦那。息子に身代を譲り、隠居することとなった。ちょうど、知り合いに頼んでおいた隠居所も根岸の里に見つかり、早速、お気に入りの小僧、定吉を連れて引越。しかし、毎日毎日、やることもなく煙草を吸ってばかり。ある日、定吉から近所の人々は皆、風流な遊びをしていることを聞く。そこで以前から興味をもっていた「茶の湯」を始めることに。運のいいことに、この隠居所には茶室と茶道具がそろっている。しかし、二人は「茶の湯」がどんなものか想像することはできるが、やり方は知らない。かといって、小僧の手前、知らないとはいえない隠居は知ったかぶりをし、手探りで始める。茶の湯に入れる抹茶も知らない二人は、緑を出すための青黄粉と泡を立てるためにムクの皮を買ってきて湯の中にいれる。すると、かきまわすことなく不気味に泡が立っていく茶。だが、「風流」のために飲むことに。茶を飲んだ隠居と定吉は…。
噺家にはめずらしく声色をかえて登場人物を演ずる金馬。その特徴が顕著に出ている噺のひとつである。地声の隠居と高音の定吉の掛け合いはメリハリがあって、テンポが良く、リズミカルである。二人の知ったかぶりで見当違いなことをやっている様子がおかしい。
(https://www.dplats.jp/kura/asp/itemdetail/rakugo-dl-00063/ より転載)
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