つるつる(つるつる)
●幇間の一八が、同じ家にいる 芸者のお梅に、嫁に来ないかと、口説いたところ、お梅は、浮気な考えじゃいやだ、それと一八には悪い癖があって、お酒を飲むと、物事がぞろっぺいになって、約束をしてもすっぽかしたり、それがなければお嫁に行ってもいいけど、今晩2時になったら、あたしの部屋に来て、ただし少しでも遅れたら、いつもの癖が出たんだと、言うことで、この話は、なかったことにしましょうと約束をした。
その日ひいきの旦那が来て、付き合えと言う。一八は、外へ行くと、約束の時間に戻れないかも知れないので、今日は、勘弁して欲しいという。
旦那が、その訳を聞くと、一八は、しぶしぶお梅との約束を話した。
旦那が一二時まで、付き合えと言ったので、日頃世話になっている旦那だけに、一八も出かけることにした。
先方の御茶屋で、旦那が何か芸をやれば、それを買ってやるからと、言ったが、これという芸がないので、酒を湯飲みに一杯飲んだら、金を出すという。
一八は、大好きな酒で、金がもらえるならと、喜んで引き受けたが、何度か飲んでいるうちに、酔っぱらって、もう少し飲めと言う旦那に、約束の時間だからと、断ってふらふらしながら帰ってきた。
二階へ上がったが、お梅との約束までまだ時間があるし、それにお梅の部屋に行くには、師匠の寝ている部屋を通って行かなければならないので、あかりとりのさんをはずして、帯をほどき、裸になって、目隠しをして折れ釘に帯を結んで、これに捕まりながら、ゆっくりとおりていけば、師匠にも見つかることはないと、安心したら、酔いが出て、寝てしまう。
時計のチンチンという音がしたので、帯に捕まりながらおりていくと、下では、今みんなが朝飯を、食べようとしていたところだったので、師匠が
「おい、一八お前、何を寝ぼけているんだ」と言うので
一八は「井戸替えの夢を見ました。」
(http://www12.plala.or.jp/yose/turuturu.html より転載)
ようやく手元に桂文楽のビデオを取り寄せた。1970年の収録ということは、晩年らしい。
出てきた風情はひょろっとした爺さん。
CDで聴いてたより、滑舌がわるくモコモコした感じがする。不安なスタートだったが、幇間・一八が、岡惚れしてる芸者のお梅に告白する頃には気にならなくなった。お梅が肌脱ぎで支度してる部屋に滑り込み「いいお乳ですなぁ、あなたのお乳は……麦まんじゅうの上へこのインギン豆乗せたようですな……へっへっへ、ちょっと」とキャハッ♪と乳首をつまむような仕草をして怒られるあたり、モーレツにバカで色っぽい。
(http://toto.cocolog-nifty.com/kg/2008/02/post_df39.html より転載)
TBSの放送(録画)で亡くなった八代目文楽さんの「つるつる」を観ました。 幇間(たいこもち では変換されませんでした)が明るいですね。品の良いおじぃちゃん(失礼)って感じです。言葉遣いが美しいと感じました。日本橋辺りにお住まいの方、タクシーの運転手さんと話したときに味わうあの歯切れの良さです。全編そんな感じで耳が気持ちよいです。笑い声に惹かれますねぇ、、、、 ところで、、、、つるつるって何のことでしょう?