※初音の鼓は収録されていません。
初音の鼓(はつねのつづみ)
●道具屋が殿様の所に「初音の鼓」を売りに来る。殿様はなぜ本物と分かると問うと道具屋は鼓を打つと動物が出ますと答える。その当時、お屋敷には働き手の夫(ぶ)が出入りしており、その時も縁の下に二人の夫が休憩をしていた。殿様は道具屋の話を聞き鼓を打つと、その音が縁の下で共鳴したので、夫が驚いて出てきた。「お前はなんじゃ。」「夫でございます。」「なんの“ぶ”じゃ」「ただの夫(忠信)でございます。」「初音の鼓を調べて忠信か」「屋島・壇ノ浦のいくさの話を語れ」「そんなことは知らない」「その方が知らないものを誰が物語る」「どうぞ次の夫(継信)にお聞きください」
何とも品のある語り口だ。短く話しているが、構成が抜群で密度が濃い。古い言葉も全体の雰囲気を崩さずに適切に解説している。充実した内容で聞いた後には満足感でいっぱいだ。
(http://geza.blog22.fc2.com/blog-entry-96.htmlより転載)
初音の鼓・・正月の噺。昭和37年1月の録音。珍しいものが好きな人はいつの世にもいるものです・・。