親子酒(おやこざけ)
●酒で失敗ばかりしている跡取り息子が、酒で身上を潰すことを心配した親父が、息子に禁酒させ自分も一緒に禁酒を始めた。
ところが、何もやることがない親父の方が、五日も経つと我慢ができなくなって、息子が出かけた晩に一本だけと言い訳しつつ、塩辛を肴に飲み始めた。脇には大福を置いて息子に見つかったらお茶を飲んでいる振りをすることにした。カミさんを脅したり頼み込んだりしながら、もう一本、もう一本と飲み続けてベロベロに酔ってしまった。
そこへ息子がハイテンションで帰ってきた。
「たっだいまぁ、山田さんが晩酌に付き合えと言うが、親父との約束があるので飲めないと断ると、偉いと誉められ、じゃあ飲めと言うことで仕方なく二人で四升飲んじゃった」
「なんだおまえは、こんなに顔が七つ八つもある化け物には身上を譲れねぇ」
「おとっつぁん、あたしだって、こんなぐるぐる回る家を貰ったってしょうがねぇ」
(http://mengjian.blog104.fc2.com/blog-entry-169.html より転載)
志らく師はマクラで、直前の原一平のネタ絡みで「男はつらいよ」シリーズ全作のマドンナ役の女優名を列挙して映画フリークぶりを誇示する。
噺は「親子酒」。呑み助親子の息子の方が酒で失敗をし、親旦那が禁酒に同調したものの二三日で我慢がいかず、息子の手前から止める妻女を説得して三合ばかりをたいあげる過程や勢いが止まらぬグズグズは、いままで聴いたことのない型。
帰宅した息子の「おとっつあん、ただいま戻りました!」の一言で息子も禁を破ったとわからせ、その後のサゲ前の趣向は従来どおり。
志らく師の再構築力には目を見張らせるものがあると思った。
(http://blog.livedoor.jp/kogakudo/archives/51841061.htmlより転載)
親子酒(立川志らく)
マクラの前にアドリブで寅さんのマドンナをすべていう知識を披露するが、ちょっとたどたどしく、聞き苦しい。噺と違和感が強すぎる。キャラクター設定や筋立ては詳細でなかなか面白い。やや大げさすぎる演出だが、それを不自然と思わせない芸にしてもらいたい。冒頭がマイナスすぎた。
(http://yunomi.seesaa.net/article/247501974.htmlより転載)
親子酒 志らく
フィギュアスケートのエキシビジョンよろしく、観客も緊張の糸が切れた後だということもあるのかやたらと受けていた。一門の会でこういう軽い話を最後に聞くのが自分には珍しかったのでうれしかった。演目の中にうまい具合に親父の台詞の中に「こしらの落語は」「らく朝の落語は」と弟子達の落語と絡めてきて「時間もないからこの落語の中で総評しちまうか」。最後は親父さん「今更思い出したが志ら乃の落語の評価するの忘れてた」。
(http://d.hatena.ne.jp/danshinonamakubi/20110530/1306768312より転載)