火焔太鼓(かえんだいこ)
●古道具屋の甚兵衛さんは、商売が下手だといつも女房から文句を言われています。その甚兵衛さんが今日は古ぼけた太鼓を市から買ってきました。そんな太鼓は売れるはずはない、とまたぞろ女房から文句を言われていると、お侍がやって来て、その太鼓を買いたいと言い出します。話を聞くと、このお侍が仕えているお殿様がこの太鼓を所望しているとのこと。期待半分で甚兵衛さんはこのお殿様のお屋敷へ太鼓を売りに出かけると……。
『火焔太鼓』はあの古今亭志ん生が練りに練った爆笑落語として有名な一席です。そのためあまりにも噺の完成度が高く、志ん生以外の噺家は志ん生が作った以上のくすぐりをこの噺の中に一つとして織り込むことができませんでした。白鳥師はそうした現状を逆手に取り、この演目から既存の志ん生のギャグをすべて抜き取った上で、新たに自作のくすぐりをぶち込み、笑い沢山の一席に仕上げています。「『火焔太鼓』なら志ん生のを聞いたことがあるから、他の噺家のものは聞く必要がない」と言う人ほど聞く必要のある一席です。
(https://www.dplats.jp/kura/asp/itemdetail/rakugo-dl-00399r/ より転載)
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