青菜(あおな)
●ある夏の夕暮れ。庭仕事を終えた植木屋さんに、旦那が「一杯付き合っていただけませんか」と声をかけた。出された酒は「柳影」という焼酎にみりんを混ぜたものを良く冷やし、ガラスの杯で。肴は鯉の洗い。いずれも涼しげで、植木屋さんは仕事の疲れが癒えるようだと礼を言う。旦那は口直しに青菜をすすめ、奥さんに「青菜を固うしぼってもってまいれ」と言う。しばらくすると、奥さんが戻って来て、旦那にこう言った「旦那様、鞍馬から牛若丸が出でまして、その名も九郎判官」。聴いていた旦那は、「義経にしておけ」と返事。チンプンカンプンの植木屋さんが意味を尋ねると、これは隠し言葉だという。「青菜は食べてしまって無かった」のだが、そのまま言っては客人に失礼。そこで「その名(菜)も九郎(食ろう)判官」と言い替え、旦那は「義経(よい)」と答えたのだ。すっかり感心した植木屋さんは家へ帰り、おかみさんに家でも同じ事をやろうと言う。折良く風呂を誘いに来た大工のタケさんを家に招き入れ、酒を勧めるが・・・。
(https://www.dplats.jp/kura/asp/itemdetail/rakugo-dl-00127/ より転載)
桂ざこばさん。桂枝雀さん。柳家権太郎さん、笑福亭仁鶴さんほか大勢の芸人が話しされる。個人的には「桂ざこば」の青菜が好きだ。幾度となく聴いているので、筋書き、落ち、台詞がわかっている。しかし、ほぼ同じところで笑う自分が居る。
私の好きな場面は、植木屋の女房が「はあい、旦さん」と押入れから飛び出してくるところだ。汗だくだくになって出てくるところは、実に、いい。
桂ざこばさんの「青菜」は、桂ざこばさんのガラガラの大阪弁と咄とマッチしているのだ。これしかない、という咄をしてくれる。
(http://gx3.blog95.fc2.com/blog-entry-698.html より転載)
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