居残り佐平次(いのこりさへいじ)
●派手に飲み食いして遊んだ仲間が帰り、一人残った男が居残りになったが、店の中で、暇そうな客をみつけては、ご機嫌取りのヨイショをして、酒を御馳走になったり、一緒に遊んだりしていた。下手な幇間よりも客あしらいが巧いので指名されるほどの人気者だ。
この男がご祝儀を先に貰ってしまうので自分たちの取り分が減った、あいつを何とかしてくれと、店の若い衆が旦那に泣きついた。
旦那がこの男を呼んで払いは後でいいから出て行くように説得したところ、世間で悪事を働いたので、出たらすぐ捕まってしまう、もう少し匿ってくれとすがる。これを聞いた旦那は、共犯にされちゃ敵わないと、男の言いなりに着物や履物、銭まで与えて追出した。
近所で捕まっちゃいないか見て来いと若い者に行かせると、男は、居残りを商売にしている左平次だと名乗る。これを聞いた旦那は
「人をどこまでおこわにかけやがったか」
「旦那の頭が胡麻塩でございますから」
(http://mengjian.blog104.fc2.com/blog-entry-121.html より転載)
円生の落語で聞きたい噺をある落語フアンクラブでアンケートしたら1位「御神酒徳利」、2位「掛け取り漫才」、3位にこの「居残り佐平次」となった。そのぐらい円生の出来は良かった。
(http://ginjo.fc2web.com/005inokori/sinagawa.htm より転載)
TBSチャンネル「落語特選会」にて