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落語一日一席 古今亭志ん朝(三代目)小言幸兵衛(こごとこうべえ)
●麻布古川の大家の幸兵衛、のべつまくなしに長屋を回って小言を言い歩いているので、あだ名が「小言幸兵衛」。
しまいには猫にまで、寝てばかりいないで鼠でもとれと説教しだす始末。
そこへ店を借りにきた男。商売は豆腐屋。
子供はいるかと聞いてみると、餓鬼なんてものは汚いから、おかげさまでそんなのは一匹もいないと、胸を張って言うので、さあ幸兵衛は納まらない。
とんでもねえ野郎だ、子は子宝というぐらいで、そんな事を自慢する奴に店は貸せない、子供ができないのはかみさんの畑が悪いんだろうから、そんな女とはすっぱり別れて、独り身になって引っ越してこい、オレがもっといいのを世話してやると、余計なことを言ったものだから、豆腐屋はカンカンに怒り、毒づいて帰ってしまう。
次に来たのは仕立屋。物腰も低く、堅そうで申し分ないと見えたが、二十歳になるせがれがいると聞いて、にわかに雲行きが怪しくなる。
町内の人に鳶が鷹を生んだと言われるほどのいい男だと聞いて幸兵衛「店は貸せねえ」
「なぜといいねえ、この筋向こうに古着屋があって、そこの一人娘がお花。今年十九で、麻布小町と評判の器量良し。おまえのせがれはずうずうしい野郎だから、すぐ目をつけて、古着屋夫婦の留守に上がり込んで、いつしかいい仲になる。すると女は受け身、たちまち腹がポンポコリンのボテレンになる。隠しては置けないから涙ながらに白状するが、一人息子に一人娘。婿にもやれなければ嫁にもやれない。親の板挟みで、極楽の蓮の台で添いましょうと、雨蛙のようなことを言って心中になる」
(ここで芝居がかりになり)「本舞台七三でにやけた白塗りのおまえのせがれが『……七つの金を六つ聞いて、残る一つは未来に土産。覚悟はよいか』『うれしゅうござんす』『南無阿弥陀仏』
……おい、おまえの宗旨は? 法華だ?
古着屋は真言だから、『ナムミョウホウレンゲッキョ』『オンガボキャベエロシャノ』これじゃ、心中にならない。てえそうな騒動を巻き起こしゃあがって、店は貸せないから帰っとくれっ」
入れ替わって飛び込んできたのは、えらく威勢のいい男。
「やい、家主の幸兵衛ってのはてめえか。あの先のうすぎたねえ家を借りるからそう思え。店賃なんぞ高えことォ抜かしゃがるとただ置かねえぞ」
「いや、乱暴な人だ。おまえさんの商売は?」
「鉄砲鍛冶よ」
「なるほど、それでポンポンいい通しだ」
(http://senjiyose.cocolog-nifty.com/fullface/2005/08/post_4d93.html より転載)
さて、次は権太楼。マクラで「昔は銭湯などにも小言を言う怖いおじさんがいた。」、それで勉強になった、という話、私もよく書いていることで、まったく同感。この後、師匠小さんの思い出話などにつながったようだが、残念ながら大幅にカット。カット後の映像で本人が「500会記念で、いいんでしょうか」 「カットしてもらいましょう」と言っていたので、本人も編集を希望したほどの暴露ネタだったようだ。こういう場合は、やはり生でなければ、と思うねぇ。本編は、しっかりと権太楼ワールドで結構でした。しっかり「郡山」さんの名が登場するところも洒落ている。
(http://kogotokoubei.blog39.fc2.com/blog-entry-211.html より転載)
トリはお待ちかね権太楼。
私たちが子どもの頃は小言をいってくれる怖いオジサンてのがあちこちにいましたな
小言を云いなれている師匠がいて小言を云われ慣れている前座がいる。
今の前座は何にも云わないうちから、すみません、って早くその場から逃げだしたい気持ちがありあり。
そんな話から若い頃師匠の小さんに夫婦そろって叱られた噺。
小さんのお伴をして寿司やで、カミサンに、と寿司折をいただいた。
その礼をカミサンが電話しなかったというので馬鹿なご立腹、夫婦して高級メロンをお土産に謝りに行った。
そこで又カミサンが「子どもがちっちゃいもんですから」とワケワカな弁解をして小さんの怒りが倍加したという。
(http://pinhukuro.exblog.jp/12239596/ より転載)
TBSチャンネル「落語研究会」にて