町内の若い衆(ちょうないのわかいしゅう)
●熊さんが、兄貴分のところへ顔出しをすると、生憎と留守でお内儀さんが相手する。気が付くと、裏で建増しの普請の真っ最中。「たいしたもんですね。この木口の高いときに普請とは。こちらの兄貴は働き者ですね」「いいえ、町内の若い衆さんが寄ってたかってこしらえてくれたようなものです」
これを聞いて、一層感心した熊さん。家へ帰って女房にこの話をして「お前には言えないだろう」というと「言えるよ。普請してみろ」という言葉が返ってくる始末。
あきれ果てて、湯へ行こうと出掛けると八っつぁんに会ったので、一計を企てる。「すまねぇが今、家へ行って、かかあに家の中のことを褒めて、『こちらの熊さんは働き者だ』と言ってくれ。それで、かかあがどういう返事をするか、あとで聞かせてくれ」と頼む。
八っつあんは熊さんの家へ行って何か褒めようとするが、何もない。気が付くと女房が臨月間近のお腹をしているので、「この物価の高い時期に、子供をこしらえるなぞ、熊兄ぃは働き者だ」
「いいえ、うちの人の働きじゃありません。町内の若い衆が寄ってたかってこしらえてくれたようなものです」
(http://www.dab.hi-ho.ne.jp/ensou/furrok/dijest2.html より転載)
「笑神降臨2011」第八回:古今亭菊之丞
今回、師匠が演じたのは二本の古典落語。「自分が落語家になったときにぜひやってみたいと思っていた落語」として演じられた『法事の茶』と、「とてもオチがいい」という『町内の若い衆』。『町内の若い衆』に関しては、やはり素晴らしい。何年か前、師匠が「笑いがいちばん」に出演されていた時にも演じられた演目だが、女性のしたたかさと艶っぽさ、また謎めいた雰囲気が醸し出されていて、実に良かった。師匠の落語を聴くのはそれ以来のことだが、女性の色気という意味では少し力が弱まったように思う。ただ、そのおかげで、『町内の若い衆』という落語自体の面白さが明確になった。しばらくぶりのうちに、幾らかの進化を遂げられたようだ。
(http://omoshow.blog95.fc2.com/blog-entry-1286.htmlより転載)
古今亭菊之丞 町内の若い衆
このおかみさんなら、町内の若い衆が寄ってたかって拵えてくれるのも当然だわ。。。
ホント、女性が色っぽいのなんのって。なんたって手がしなやかなのよね。すっとしていてあたしなんかよりずうっと女っぽいし(うらやまし)
(http://blogs.yahoo.co.jp/piasi69/61053572.htmlより転載)
元禄時代につくられてから300年間、ほとんど話の筋立てが変わっていないという古典中の古典。菊之丞さんが得意とする女将さんの魅力が全編にちりばめられていました。
(http://www.nhk.or.jp/syousinkorin/4rd/08.htmlより転載)