ちりとてちん(ちりとてちん)
●豆腐を食べようと思ったら、すっかり古くなり、黄色くなってポーと毛が生えている。
こいつに唐辛子の粉を混ぜて箸で崩して原型をなくし、塩辛の空き瓶に詰めた。
いつも知ったか振りをして、威張っている六さんを呼んで懲らしめてやろう、と。
「これは台湾土産で[ちりとてちん]と言うものらしいが、食通のあんたは知っているだろう」と聞くと
「勿論知っている、台湾に行った時には、朝晩これをやっていたものだ」と、予定通りに引っ掛かった。
「貰い物だが、ツーンとした臭いがきつくてどうも口に合わない、どうぞ食べてくれ」
「何をいう、これは匂いを味わうもんだよ」と、六さんが口を近づけるが、ツーンとして食えない。これには食べ方の作法があるんだと、鼻を摘まんで一気に口に流し込んだ。
「プハァー、ウマカッタ!」
「六さん、そりゃどんな味がするんだい?」
「ちょうど豆腐が腐ったような、、、」
(http://www.asahi-net.or.jp/~uk5t-shr/sutouhu.html より転載)
私が初めて落語を聞く機会があったとき、この落語に触れて大爆笑した覚えがあります
そして、私も一度やったことがあります
それだけなかなか縁のある噺です
演者は桂南光師匠
ちりとてちんは師匠が仕立て直してそれを多くの噺が演じるほどに得意とされています
ちりとてちんの食べる所作は本当にお腹が空きますよ
(http://niconicoteihousou.blog86.fc2.com/blog-entry-12.htmlコメントより転載)
べかこ時代からの十八番ネタで、すき間なく笑いが詰め込まれている。
「ちりとてちん」の命名の由来は、噺の中で桂南光が述べているが、ある説によると「ちりとてちん」の「ちり」は「チリソース」の「チリ」に通じるのだと言うのだ。
たぶん、ヨタな説だと思うが、どちらも辛いものだけに妙に説得力がある。
3代目桂南光は1951年生まれ、うちの社長と同い年である。1970年に2代目桂枝雀に弟子入りをし、3代目桂べかこを経て、1993年に3代目南光を襲名した。
楽屋でシルク姉さんのお尻をさわりまくっているらしいが、そのことを咎められると
「あれは、いわゆるボランタリーちゅうやつですわなあ。誰もシルクのけつさわりまへんやろ。かわいそうやから、わてがしゃあないさかいにさわってまんねん」とがらがら声で言い切るところに、彼の昔取った杵柄のプレイボーイで鳴らした人柄が浮かび上がってくるのである。
(http://nozawahito.exblog.jp/8451117/より転載)