短命(たんめい)
●悔やみの言葉を教えてくれと、ご隠居のところに男が訪れた。伊勢屋のお嬢さんと最初に一緒になった色白の婿殿が亡くなり、二人目はごつい男だったがこれも亡くなり、三人目の亭主が一年足らずでこの間亡くなった。どうしてこうも続けて死んじゃうのかねぇ。
話を聞いたご隠居が、解説を始めた。
店の方はすべて番頭が見ているので亭主は月に一、二回帳簿を見るだけで、普段やることがなく暇だ。目の前には震付きたくなる様ないい女。飯時には手と手が触れる。冬は炬燵で脚が触れる。周りを見ても誰もいない。となればやることは一つ。短命だろう。
説明を受けた男は、指から毒が移るのかとか、いい女を見つめて飯を食い忘れるとかトンチンカンなことを言うが、どうにか意味を理解して家に帰った。
女房に給仕をさせて、ご飯茶碗を渡す時に手と手が触れる。目の前には震付きたくなる様な、、、。「あぁ、おれは長生きだ」
(http://mengjian.blog104.fc2.com/blog-entry-191.html より転載)
今日は柳家権太楼師の「短命」です。
これは、複数音源を持っていまして、その中から選びました。
昔の噺家のにおいを残している芸人だ とも聞きます。昔の芸人ってどの位昔でしょうかね。
権太楼師は何処の寄席でも絶大な人気を誇ります。出囃子に乗って出て来ると、「まってました!」「たっぷり!」とか「権ちゃん~」と黄色い声も飛びますw
客の期待を裏切らない噺家だと言う事ですね。
(http://blog.livedoor.jp/isogaihajime/archives/1241439.html より転載)
そういえば前に。
「短命」をやった権太楼が、サゲで「おっかあ、俺は短命だ」と言い間違えてしまったのに遭遇したのですが、「短命だ」と言ったとたん、とてつもない美女のイメージが頭の中をパチパチ(ええ、もう、電気が爆ぜているように)瞬きました。言葉一つで、固定観念をねじ伏せ、これだけのものを頭の中によみがえらせてしまう権太楼にただただ恐れ入ったのを覚えています。
(http://bithoney.exblog.jp/7880303/ より転載)
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