ねずみ (ねずみ)
●江戸に下り、大工、政五郎の家に居候していた左甚五郎が、奥州の旅に出て仙台城下に入り、客引きの小僧に誘われるまま、鼠屋という見窄らしい小さな宿に泊まった。向かいには仙台一の大宿、虎屋がある。
店主の話によれば、以前は虎屋の主だったが、番頭に騙されて乗取られたという。
甚五郎は木片で鼠を彫って置いていった。名人甚五郎の鼠が動くというのが評判になり、鼠屋には連日客が大入りで、増築をし、奉公人も増えて来た。
一方、向かいの虎屋は寂れるばかりで、一計を案じた主人が飯田丹下に虎を彫らせて、鼠を見下ろす二階の手摺りに置いたところ、鼠が動かなくなってしまった。
知らせを受けた甚五郎は、二代目政五郎と共に駆けつけ、虎の出来はたいしたことがないと思った。そこで動かなくなった鼠にあの虎がそれほどに怖いのかと尋ねたところ
「あれは虎だったんですか、猫だと思った」
(http://mengjian.blog104.fc2.com/blog-entry-162.html より転載)
歌丸さんの「ねずみ」。やはり正統派は違う。聞いていて本当にその情景が目に浮かび、思わず感情移入してしまう。歌丸さんがねずみを彫っている姿がそこに有るかのようでした。
今回の「ねずみ」の登場人物はほとんど男ばかりだけど、歌丸師匠の女役というのはちょっと色っぽくていい。
(http://moko55.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/60-0729.htmlより転載)