三方一両損(さんぽういちりょうぞん)
●白壁町に住む左官の金太郎は、柳原の道端で書き付けと印形、そして三両の金の入った財布を拾う。落とし主である神田竪大工町の大工吉五郎の元に早速届けると、吉五郎は書き付けと印形はもらうが、金は自分の懐から逃げて行ったものだからと、持って帰れといって受け取らない。金太郎も金が欲しくて届けた訳ではないから受け取れないと、気の短い江戸っ子同士で喧嘩が始まってしまう。吉五郎方の大家が止めに入り、代わりに謝るも、吉五郎のためにならないから、南町奉行の大岡越前守に訴え出るとまで言うので、金太郎は一旦引き上げたが、その帰り道に自分の大家のところに立ち寄り、今、起こった話をすると、大家は怒って同じように大岡様に訴え出るという。訴えを受けた越前の裁きとは?
(https://www.dplats.jp/kura/asp/itemdetail/rakugo-dl-00085/より転載)
◆立川談志「三方一両損」(DVD『落語のピン』弍-其の伍)。
深川江戸資料館、平成5(1993)年6月30日OA(フジテレビ『落語のピン』)。
調子が悪そうな家元。途中で展開を忘れて、言葉につまるところも。それはそれで、マニアとしては貴重な音源かもしれない。
落げで、「多かあ(大岡)食わねえ」を二度言って、少しポーズをおいてから、「たって一膳(越前)」で落す。めずらしい終えかただなと思った。これは、何か調子の悪いことと関係があったのかもしれない。ちょっと自棄ぎみといったような。「多かあ(大岡)食わねえ」を一度言ったときも、少し間をおいたので、落語を知っている気の早い客は、もうここで拍手をし出した。ちゃんと最後のきれるところまで聞かねばならないという教訓である。
(http://yaplog.jp/chilurin0223/archive/7490より転載)
ブログ 引っ越しました!
落語一日一席 古今亭志ん朝(三代目)時そば(ときそば)
●江戸時代の時刻は、一時とか五時とか言わずに、四つとか六つなどと呼んでいた。
「おーい蕎麦屋、何が出来る?」「へい、出来ますものは花巻に卓袱です」「それじゃ、卓袱を熱くしてくんな」
屋台の蕎麦を食いながら、やたらに蕎麦屋を誉める。「良い器を使ってるねぇ、料理は器で食わせるってがホントだねぇ」てな調子、さて勘定を払う段になって、「十六文かい、ちょいと細かいから手を出してくれ」「へい、それじゃこちらに」「ひぃふぅみぃよぅいつむぅななやぁ、なん時だい?」「九つで」「とぉ、十一、十二、十三、十四、十五、十六と、ご馳走様」
まんまと一文ごまかしてしまった。
これを見ていた男が、小銭を用意して翌日同じことをしようとした。
さて勘定は、「ひぃふぅみぃよぅいつむぅななやぁ、なん時だい?」「四つで」「いつむぅななやぁ、、、、あれ!」
(http://mengjian.blog104.fc2.com/blog-entry-39.html より転載)
本日の1席目は「時そば」。この噺がピッタリなほど冷え込みが厳しい夜でした。でも、聴き終わった後に蕎麦を食べて体を温めようと思わせるような風情は微塵もない、志らくらしい「時そば」でした。
初めの男がそばを食べる場面、そばをすする様子がイマイチおいしそうではない…と思っていたら、「うまいんだか、下手なんだから、中途半端」と自分から言い出しました。
「でも、昇太はもっと…」と真似をして笑わせたり、さんざんかっこんだ後「こんなもんでいいか」と自虐ギャクが続きます。
そばで見ていた男が、金を払う場面を思い出し、「変な時に、時を聞きやがった。おれなら最後に時を聞く…16、今、何時でい? 9つ、10…」と大損することに気づかせます。
2件目のそば屋のオヤジが客の男の「お前、友達だろ。かわうそだろ」と、幼なじみと顔が似ているために客とは思わないところから、どんどん志らくワールドに変質していきました。
「インド人のさるまた、ネトネトするよ」も飛び出し、ほかの誰にもできない「時そば」となりました。
(http://rakumys.blog21.fc2.com/?m&no=286より転載)