へっつい幽霊(へっついゆうれい)
●売ったへっついから幽霊が出ると言う噂に困った道具屋が、1両付けて熊五郎と若旦那に引き取ってもらった。二人で家に持ち帰る途中、どこかにぶつけて、へっついが欠けて300両が出て来た。二人で山分けして、若旦那は吉原で、熊公は賭場で一晩で使いきってしまった。
翌晩若旦那の方に幽霊が出て「金返せ~」と。これを聞いた熊公は若旦那の実家に訳を話して300両を預かって来て、幽霊を待つ。夜半に出て来た幽霊の話によれば、生前は左官の長五郎と名乗り、賭場では丁しか張らず、ある時大儲けをしたので地獄の通行料のつもりで300両をへっついに塗り込んで隠しておいたものだから、金返せ!
交渉の結果、150両ずつの折半となった。
しかし根っからの好き者同士、サイコロ勝負となり、一回で幽霊は空っ欠。もう一回勝負させろと頼むが駒が無い奴はダメと断る。
そこで「あっしも幽霊だから足は出さねえ」
(http://mengjian.blog104.fc2.com/blog-entry-24.html より転載)
先月の「彦八まつり」では酔っ払って乱入し、物議を醸したざこびっちですが、人情噺と勢い良い男の噺をさせたらやっぱりおもろいです。相変わらず動画ではありません。
(ニコニコ動画説明文より転載)
天災(てんさい)
●私は紅羅坊名丸(べにらぼうなまる)ですが、ご隠居さんのお手紙を拝見すると”おっかさん”に手を挙げるそうですが、そのような事はないでしょ。ない!蹴飛ばす。では、お話をしますと、喧嘩がお好きなようですが、柳に風のごとく、堪忍が大事。例えば、小僧が水を掛けたら・・。屋根から瓦が落ちてきたら・・。大きな原中で夕立、ずぶ濡れになったら、どこに喧嘩をウリりますか。あきらめらぁ~。だったら、全て天災だと思ってあきらめなさい。天のせいにすれば、喧嘩をしないですむ。
分かった!帰るけれどお茶が出ないのは天災と諦めるが、戸の開けっ放しは天災だと諦めな。
今帰ったが、長屋が騒々しい。熊さんの所で喧嘩があって先妻との別れ話が決まらない内に、新しい女を入れたので、先妻の”おみっつぁん”が怒鳴り込んできた。やっと収まったところだから、行くのはおよし、また喧嘩が始まっちゃう。大丈夫、天災を振り回わっしゃうから。
熊さんの所で、今聞いて来たばっかりの心学”天災”を振り回すが、本人も分からないくらいチンプンカンプンな解説で、「外を歩くと、屋根から小僧が振ってくる。大きな原に出ると、夏の雨は馬が降ら~ぁ。夕立で、とたんに小僧が水を撒く。」仲裁にはいるが空回り。「元のおかみさんが暴れ込んで来たと思うからいけないんで、天が暴れ込んだと思え。これが天災だ!」、「い~や、先妻の間違いだ!」。
(http://ginjo.fc2web.com/46tensai/tensai.htm より転載)
…「天災」です
桂朝丸こと、桂ざこば師匠の得意ネタの一つとして有名です
動画でのざこば師匠が大変若く見えます 最近、生でざこば師匠の「天災」を見てきただけに一層そう感じます よくマクラで奥さんや娘さんの話をされるざこば師匠に「天災」がハマっているように思われます
…天災中で心学の先生に説教されるシーンがあるのですが、身につまされますね
(http://niconicoteihousou.blog86.fc2.com/blog-entry-18.html より転載)
崇徳院(すとくいん)
●若旦那が寝込んでしまった。旦那様に頼まれて熊さんが聞いてみると、清水院で出会ったお嬢さんが忘れられない恋煩いだった。熊さんが腰に草鞋をぶら下げて相手のお嬢様を探しに出掛ける、首尾よく探し当てたら三軒長屋が貰えるのだ。
手掛かりは短冊に書かれた崇徳院の和歌
「瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の 割れても末に 逢わんとぞ思う」
かみさんに教えられた通り、往来の真ん中、湯屋、床屋など、人が集まるところで上の句を詠むが、なかなか見つからない。熊さんが三十七軒目の床屋で休んでいると、鳶頭が駆け込んできて、恋煩いで寝込んでいるというお嬢様の話を始めた。清水院で出会った若旦那に会いたいというのだ。手掛かりは、短冊
に書かれた崇徳院の和歌だと言う。
お互いに見つけたと、互いにこっちに来いと揉合いになり、鏡を割ったが心配するな。
「割れても末に買わんとぞ思う」
(http://mengjian.blog104.fc2.com/blog-entry-171.html より転載)
落語にはひとつの噺でオチが異なるケースがあるらしいのだ。しかも、噺家によってはオチそのものをつけずに終わるパターンもあるという。問題の『崇徳院』も複数のオチが存在するらしい。いやはや、なんとも奥が深い世界じゃないか。
さらに調べると『崇徳院』はざこば師匠の得意ネタのひとつらしくざこば版のそれはオチをつけずあっさり終わるパターンらしい。
(http://humania.blog9.fc2.com/blog-entry-212.htmlより転載)
船徳(ふなとく)
●訳あって親元を勘当され、大川端にある船宿の居候となっている若旦那の徳兵衛だが、毎日が退屈なのと世話になっている船宿の親方の手前もあり、船頭にしてほしいと頼み込む。始め渋っていた親方だが、船頭たちも賛成してくれたので承知する。
だが、力の無い若旦那の事、一向にお呼びがかからない。夏の暑い盛り、浅草観音様の四万六千日の縁日に船頭が出払ってしまい、馴染みの客から声がかかる。心配する船宿の女房の心配もどこ吹く風と、徳兵衛は客を乗せて大川を渡ろうとするが失敗してばかり、客も「おい。大丈夫かい。」 と声をかけるが、「へえ。大丈夫です。この前は一人御客を川に落してしまいましたが、今日はそんなことはない。」「おい、冗談じゃないよ。」と大騒ぎ。
ようようにして対岸についたが(岸まで着かず、客に川の中を歩いてもらうというやり方もある)、徳兵衛は心身ともに疲れてしまって「御客様。お上がりになったら、船頭一人雇ってください。」
(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%88%B9%E5%BE%B3 より転載)
たい平演ずるこの噺、船を漕ぐ場面を含めその動作のすべてに美しさとおかしさが溢れている。現代においては“船を漕ぐ”などは想像するしかないが、その想像を超えるほどのリアリティと面白さだ。
・・・冒頭、船頭の親方に呼ばれた船頭たちが疑心暗鬼になりつつお互いの失敗談を告白する下りが何とも言えずにバカバカしくて楽しい。
(http://columbia.jp/artist-info/taihei/COBA-6313.htmlより転載)