付き馬(つきうま)
●吉原で「今は持ち合わせがないが、お茶屋のツケを集金すれば金ができるので、明日払いで良けりゃ遊んでってやるよ」ということでどんちゃん騒ぎが始まった。
翌朝、郭の中のお茶屋だから一緒に集金に行こうと、牛太郎を連れ出し、ちょっと大門の外の空気を吸ってみようと、更に外に引っ張り出す。この後、風呂に入り飯を食って牛太郎に払わせ、浅草の雷門まで来てしまった。
ここから中まで戻るのは面倒だから、近くの葬儀屋の叔父さんに金をこしらえて貰おう。
付き馬の牛太郎を外に待たせたまま、棺桶の注文をして、外に聞こえるように「早くこしらえておくれ」とせかす。牛太郎を呼んで「出来たら叔父さんから受け取ってくれ」と言い残して男は、帰ってしまった。
「出来たけど、どうやって運ぶ」と聞かれて、棺桶を注文したことを知らさせるが後の祭り。棺桶代を請求されて金が無いというと、
「おい奴(やっこ)、中まで馬に行け」
(http://mengjian.blog104.fc2.com/blog-entry-109.html より転載)
舞台は品川から吉原に移って、あの手この手で金を踏み倒す…という噺ばかりだが、本当に面白い。「付き馬」はわりと聞いている方だと思うけどこの圓生師匠の録音はやはり名人芸!絶品だ。「付き馬」で出てくる「図抜け大一番小判型」だけど「早桶」とはいまの棺桶のことで…圓生師匠のマクラにて早桶についての解説を聞くと…種類は一般的に「並一」「並二」とあり、並一は男用、並二は女用、それにも入らない大きな早桶を「大一番」、もっと大きく作ると「図抜け大一番」となるそうである。ここではそれを小判型にしてくれと特注品ということだ!
(http://tsukimura.cocolog-nifty.com/weblog/2012/03/post-d23a.htmlより転載)