厩火事(うまやかじ)
●髪結いで生計を立てているお崎の亭主は文字通り「髪結いの亭主」で、怠け者。
昼間から遊び酒ばかり呑んでいる年下の亭主とは口喧嘩が絶えません。
しかし本当に愛想が尽き果てたわけではなく、亭主の心持ちが分からないと仲人のところに相談にやって来ます。
話を聞いた仲人は、孔子が弟子の不手際で秘蔵の白馬を火災で失ったが、そのことを咎めず弟子たちの体を心配し弟子たちの信奉を得たと話と、瀬戸物を大事にするあまり家庭が壊れた麹町の猿(武家)の話しをします。
そして目の前で夫の大事な瀬戸物を割り、どのように言うかで身の振り方を考えたらどうかとアドバイスをします。
帰った彼女は早速実施、結果夫は彼女の方を心配します。
感動したお崎が「そんなにあたしのことが大事かい?」と質問すると、
「当たり前だ、お前が怪我したら明日から遊んで酒が呑めねえ」
(http://blog.livedoor.jp/isogaihajime/archives/1473847.html より転載)
◆三遊亭圓楽「厩火事」(NHK教育『日本の話芸』)。
東京霞ヶ関イイノホール、平成13(2001)年6月2日OA。
圓楽追悼記念の意味があったのだろう。今週放映の『日本の話芸』である。
マクラのギャグ。寄席に行くという夫に妻が「あなたいったいいくらお持ちになったの?」と聞くと、夫は「5千円」だと。すると、妻が「それっぽっちじゃなく、3億円ほどお持ちなさい」と言うと、夫が「何をばかなことを言ってるんだ。寄席を買いに行くわけじゃなし!」と言うと、一部の客がすこぶるウケていた。圓楽はそのつもりで言ったギャグかどうか知らんが、あきらかに寄席「若竹」を想起したギャグだ。そういう意味では、追悼記念に良い一席をNHKはかけたのではないだろうか。
(http://yaplog.jp/chilurin0223/archive/628より転載)