替わり目(かわりめ)
●外でたらふく飲んで帰った亭主が、もう一杯飲ませろと女房と交渉しているが、なかなか「うん」と言わない。擦った揉んだの結果、やっと飲むことになったのだが、肴が何にもない。漬物もないので、生野菜をを口に入れ、後から糠を食って、最後に頭に塩を乗せると言い出す始末。最後には女房が屋台のおでんを買いに行くことになり、具は、焼き豆腐、がんもどき、はんぺんなどと決めた。
いざ、買いに行く段になると、女房が鏡台の前に座って化粧を直し始めたので、そんな必要はない、さっさと行かねえとたたき出すぞと怒鳴った。
でも、考えてみりゃ、あいつは、世間でも器量良しだと言われてるし、あんな美人が俺の女房に来るなんて、本当にありがたいことだ。いつも怒ってばかりで、陰じゃすまねえと思っているんだが、こんなことは、本人の前じゃ絶対に言えねえ。と呟いていたら、
「あれ、まだ行かねえのかよ、おい」
(http://mengjian.blog104.fc2.com/blog-entry-177.html より転載)
「待ってました!」の声とともに、淡い亜麻色の着物に身を包んだ古今亭菊之丞師匠が高座に上がられました。青森の方へ行かれた時のお話、昨今の男女酒のお話、まくらからそれはそれは盛大に笑ってしまいました。「んふふふ」なんてものではありません(笑)。
師匠がスルリと羽織紐に手をかけたら、いよいよ噺の始まりです。
「替り目」はお酒呑みの旦那様とその奥様のお噺。お噺の詳細は割愛させていただきますが、やはりこんなに近くで、生でみると落語とはこんなに面白いものかと思います。奥さんの「しょうがないねぇ」と心底しょうがなそうに言う眉毛の動きや、お酒呑みの旦那さんの目がしぱしぱする酔っ払い具合、噺口調。私ときたらスタッフなのに、涙が出るほど楽しんでしまいました。
(http://shuro-tei.jp/pg62.htmlより転載)
古今亭 菊之丞『替り目』
先日、蕎麦屋さんの落語会でよくお会いするヒトにこの会行く予定を告げると、小三治よりもこちらに食いつかれた。 私はこの菊之丞を生で見たことがなくて、でもこのTさんという方がとても勧めるので実は楽しみにしていた。
プロフにある得意ネタ「酢豆腐」「明烏」とあるのも納得の若旦那風の風貌がちょっとズルイ。いや何がズルイかと言われても困るんだけど。線が細くて少し猫背で、顔がはんなりしてて、肌が綺麗。その風貌故に?女役が、非常に色っぽい。
先日歌武蔵で「女役が見てられない」と嘆いた後の落語会だったので余計そう感じたのかも。いつも傍に居る女房のふとした色気、なんてなかなか見せられるものじゃありませんよー。こりゃ花魁役とか上手だろうなぁ。と思わせるなかなかの名演。まぁ、逆に権助とかはどうなのかなーって思うけどね。ふふ。
(http://www15.ocn.ne.jp/~placebo/070314.htmlより転載)