疝気の虫(せんきのむし)
変な虫を見付けた。踏み潰そうとすると、虫が助けを乞う。その虫は疝気の虫で、医者は丁度その病気の患者を扱っているので、何でお前らは悪さをするのかと聞く。すると、自分たちは蕎麦が大好物で、蕎麦を食べると元気になって暴れだして、あっちこっちを引っ張るのだと云う。苦手なものは唐辛子で、唐辛子が身体に付くと、そこが腐るので、慌てて別荘に逃げるのだと云う。
別荘って何だと聞くと、男の金の袋だと云う。ははぁ、それで、蕎麦を食べる時には、薬味を使うのだなと思ったが・・・。見回すと虫がいない。気が付いたら夢だった。
掛かり付けの患者が疝気で苦しんでいるからすぐに来てくれと、迎えが来た。
今日はちょっと治療法を変えます。蕎麦を頼んで、唐辛子水を沢山作って下さい。まず、奥さんが蕎麦を食べて、その臭いをご主人に嗅がせて下さい。ご主人は蕎麦を食べてはいけません。
疝気で苦しんでいる患者の腹の中の虫は、臭いがするけど蕎麦が来ないので、どっかに引っ掛かってるのかなと、上へ上がって来た。な~んだ。お向かいさんだ。ってんで、患者の身体から奥さんの身体に移った。患者は、直ってしまったが、今度は奥さんが苦しみ始めた。
医者は、ここぞとばかりに、奥さんに唐辛子水を飲ませた。奥さんの身体に移った疝気の虫は、『こりゃ大変だ! 皆んな別荘へ逃げろ~! 別荘~~~・・・』
(http://yabu.269g.net/article/2763766.html より転載)
談志師は「疝気の虫」、志ん生さんの型で演じていますね。
著書でも中々志ん生さんの様には出来ないと書かれていましたね。
私が子供の頃読んでいた速記には、ちゃんと下げが書かれていました。
別荘へと言ってから、やや間があって、「別荘が無かった」と下げていました。誰の高座の速記だったか忘れてしまいましたが、長らくそれが、スタンダードだと思っていました。
(http://blog.livedoor.jp/isogaihajime/archives/1140319.html より転載)
CDにて