権助提灯(ごんすけぢょうちん)
●さるご大家(たいけ)のだんな。妾(めかけ=愛人)を囲っているが、お内儀(ないぎ=妻)さんがいたって物分かりがよく、またお妾の方も本妻を立てるので、家内は円満、だんなは本宅と妾宅(しょうたく)に交互にお泊りという、大変にうらやましい境涯。
ある夜、だんなが本宅に帰ると、お内儀さんが、今夜は火のもとが心配だから、あちらに行っておやりなさいと言うので、だんなはその言葉に甘えて、飯炊きの権助に提灯を付けさせて供をさせ、妾宅に引き返した。
するとお妾の方でも、本妻に義理を立てて、お内儀さんに済まないから今夜は帰ってくれと、言う。
またも本宅へ引き返すと、お内儀さんが承知せず、こうして何度も本宅と妾宅を行ったり来たりするうち、提灯の火が消えた。
「おい、権助、提灯に火を入れな」
「それには及ばねえ。もう夜が明けちまっただ」
(http://senjiyose.cocolog-nifty.com/fullface/2005/05/post_e20b.html より転載)
そしてこの日の収穫は、柳家三三の「権助提灯」。
独身イケメン落語家の三三さんが、ご本宅とご妾宅を行き来する旦那を演じるとどうなるか。いかにも女性からは反発を買いそうな噺なのだが、男性にも反感を抱かせずに女性の溜飲を下げてみせる見事なバランス感覚で演じてみせる。
(http://blog.goo.ne.jp/okei0702july/e/b88260090d28f6faeb063ae91d6db5f1 より転載)
TBSチャンネル 落語研究会にて