掛取万歳(かけとりまんざい)
●八五郎の家は大晦日だというのにお金がない。そのことで女房とけんかになり、困った八五郎は借金取りの好きな趣味で断りをしてやろうと思いついた。
狂歌マニアの大家相手には「貧乏をすれど我が家に風情あり、質の流れに借金の山」などの狂歌を並べる。最後は歌舞伎の菅原伝授手習鑑のパロディに持ち込んで返済の延期を約束させてしまう。
魚屋の金公には、喧嘩っ早い相手の性格を利用。「借金をとるまで梃子でも動かない!」と言ったのを逆手に取り、「金が入るまで、そこに何十年でも座っていろ!!」とやり返して結局借金を棒引きにさせてしまう。
芝居好きの酒屋の番頭には、番頭を仮名手本忠臣蔵の上使に見立てて招きいれ、近江八景の駄洒落で言い訳した後芝居がかりで追い払ってしまう。
三河屋の旦那には、旦那を三河万歳の「才蔵」に見立て、漫才の調子で「勘定なんかできねぇ」「できなけれぇば、待っちゃろか」の掛け合いに持ち込み、最後には呆れた旦那が「ならばいつ払えるんだ」と問うと、「ひゃーく万年もォ、過ぎたなら(払います)」
(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8E%9B%E5%8F%96%E4%B8%87%E6%AD%B3 より転載)
六代目圓生師匠の「掛取り万歳」を聞いている。
12月に暮れの噺を!と聞こうと思っていたのだが、ここまで年末になってしまうとは…大晦日の掛取り風景。
「掛取り」もいろいろあるようだけど、圓生師匠の場合、その撃退法ということで、最初に去年の大晦日を思い出して「早桶の中で死んだふり」。大家さんと炭屋のおじさんを撃退。
そして今年の掛取りがスタートで、お馴染みの「狂歌家主」。続いて魚屋の金さんは「喧嘩」。大阪屋の旦那は「義太夫」。酒屋の番頭は「芝居」。「義太夫」と「芝居」は鳴り物入り。最後に三河屋の旦那が「三河万歳」という流れ。
「掛取り」って、そのバカバカしさが何とも楽しいのだけど圓生師匠だと後半の義太夫と芝居が格調高くて、これは芸術の域に達しているという…落語を超越している。でも最後が三河万歳なので…軽やかに心地いい。
(http://tsukimura.cocolog-nifty.com/weblog/2010/12/post-e028.html より転載)
TBSチャンネルにて