豊竹屋(とよたけや)
音曲にもいろいろあるが、清元、常磐津、長唄、小唄と、どれも長続きせず少しずつ学ぶのを芸を齧ると言って師匠から嫌われる。
豊竹屋節右衛門は義太夫一筋の男。見るもの聞くものを義太夫で語る。風呂の中で『♪背中が~♪ピリピリとぉ~熱い』なんて語っているうちに上せて倒れた。介抱してくれた人に『♪ご親切なるぅ~♪ご介抱ぉ~』
「まだやってるよ」という始末。
そこに、出鱈目口三味線の花梨胴八が訪ねて来た。節右衛門が喜んで次々に語り始めると、胴八が口三味線で合わせる。こんな調子。
『水流し♪隣のばあさんがぁ~♪洗濯ぅ~』
『♪ジャジャジャー♪シャボン』
『♪大晦日にぃ~♪薪屋とぉ♪米屋にぃ~責められた~』
『はっ♪てんてこまぁ~い』
台所に鼠が出て、供え餅をひいていった。
「節右衛門さんとこの鼠は良くひきますな」
「なに、ちょっと齧るだけ」
(http://mengjian.blog104.fc2.com/blog-entry-193.html より転載)
義太夫の素養がなくてはできないため、戦後、音曲噺がすたれてからは、幼時「豊竹豆仮名太夫」を名乗って義太夫語りだった、六代目三遊亭円生の独壇場でした。
円生は最晩年、まるで後継者を捜し求めるように頻繁にこの噺を高座に掛け、国立劇場のTBS落語研究会(1978.12.26)を始め、残された音源は11種、CDは6種という、ちょっとした記録です。
(http://app.m-cocolog.jp/t/typecast/62757/6/57902923?page=2 より転載)
ニコニコ動画