堀の内(ほりのうち)
●あわて者の熊五郎は、自分のそそっかしい癖を信心で治そうというかみさんの提案で「堀の内の御祖師様」へ毎日お参りに行くことにする。しかし、そそっかしい男が行くまでの間にトラブルを引き起こさないわけもなく、自分がどこに行くのかを人に尋ねたり、落ち着こうと他人の家に勝手に上がりくつろいでから道を聞くようなトンチンカンな行動に出る。
そんなトラブルを起こしつつもようやく堀の内の御祖師様に着いて、いよいよお参りをしようとするが、あろうことか財布ごと賽銭箱へダイブ…この件は賽銭の前払いにしてもらうとして済ませ、腹も減ったことということで今朝かかあに持たされた弁当を頂くことにするが、風呂敷と思っていたのはかかあの腰巻き、弁当だと思っていたのはマクラだということに気づき、空腹の苛立ちもあり、急いで帰宅し、かかあに怒鳴りつける…が、何故かかかあは笑っている。その理由を問うと、入るべき家を間違えて別の家のかかあに怒鳴りつけてることを教えられ、急いで謝罪を…自分のかかあにしてしまう。事の成り行きを聞いたかかあは呆れかえる。
気を取り直して息子の金坊と湯に行こうとするが、おんぶしようとする金坊がやけに重い…と思っていたらかかあだったという一ボケをまたかましつつも湯屋について服を脱ごうとするがなぜか店の者が嫌がる。それもそのはず、入るべき湯屋の隣の床屋に入ってしまっていたのだから…
そんなドッタンバッタン劇を繰り返しつつ、湯に入って金坊の背中を流そうとするが見ると入れ墨がされている…と思えば別人のヤクザだった。ここまでミスが重なると熊も息子に八つ当たり気味に苛立ってくるが、今怒ってもしょうがないのでとりあえず背中は流してやることにする。ところがいつまで洗っても金坊の背中が途切れない…と思っていると、気づくと湯屋の羽目板を洗っていたのであった。
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A0%80%E3%81%AE%E5%86%85_(%E8%90%BD%E8%AA%9E)より転載)
立川志らく「堀の内」
粗忽者と言えば、と映画「猿の惑星」のハナシを。
ラストで自分の居た惑星が地球だった!と気づくんだけど、普通に考えたら猿が英語を喋っている時点で、そこに気づくはず、というおっちょこちょいというかバカなハナシしてから噺の方へ。
テンションが高いスレ違いの会話にあたまがクラクラしてしまいます。この主人公って何者なんですかね。
こんなことで生活できるんだろうか、「粗忽の釘」もそうだけれども所帯を持っていて、この有様と言うのが謎すぎるのです。
そして「猿の惑星オチ」という謎のオチが登場しました。(師匠は「たぶんもうやらない」とおっしゃっていましたが)
(http://www.rakupachi.net/blog/diary/tatekwa/shiraku/5146.htmlより転載)
志らくの「堀の内」は、女房もそそっかしい亭主に負けず劣らずのノリのよさで、噺をクレイジー度をレベルアップ。
そしてサゲは、壁の絵を見て「富士山がある。三保の松原がある…こんな日本に誰がした!?」。
私には意味がよくわからなかったのですが、一度、ソデに下がった後、高座に戻って、「落語のサゲにはいろいろなパターンがありますが、初の『猿の惑星オチ』でした。もう二度と演ることはないと思います」と解説。
「猿の惑星」の最後で、自分がいたのが地球であることに気づいて驚く場面を再現したのでした。映画好きの志らくらしい発想ですが、ちょっと無理があったかもしれません。
(http://blog.livedoor.jp/rakumys/archives/13960440.htmlより転載)
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