※「長屋の花見」は収録されていません。
長屋の花見(ながやのはなみ)
●家主が呼んでいるというので、長屋の連中が店賃の催促かとびくびくしながら集まった。
大家が酒肴を用意したので、皆で花見に行こう、という結構な話だったが、よく聞いてみると、酒は番茶の出がらし、卵焼きは沢庵漬け、蒲鉾は大根の香香を半月に切ったものだ。
毛氈に見立てた筵をかついで、向島方面に出掛けて宴会を始めたが、盛り上がらない。
卵焼きの尻尾じゃない所を取ってくれ、蒲鉾は葉っぱの方が旨い、酒柱が立ったから良いことがあると、言っていることが目茶苦茶。
本物の酒を飲みたいから、喧嘩騒ぎで人を追い払い、残していった酒を掻っ払ってこようと、月番の二人が大喧嘩の真似を始める。
近くで茣蓙を広げていた連中が、喧嘩に巻き込まれちゃ敵わないと避難した。誰もいなくなった茣蓙から酒を二本持って来て飲み始めた所へ男が一人取り返しに来るが、落ちている物を拾っただけだと逆襲に合い、「お代わりをお持ちしました」
(http://mengjian.blog104.fc2.com/blog-entry-76.html より転載)
春風亭一之輔『長屋の花見』 (19:07-19:32)
…本編は、適度にこの人ならではなおクスグリを挟みながらの、楽しい高座。たとえば、本物の酒、玉子焼き、蒲鉾と思ってうれし涙を流す長屋の仲間に向かって、その実態がお茶、沢庵、大根こうこと分かり、「おい、涙を無駄にするな」という科白などに、センスの良さを感じる。基本は本寸法、そこに彼ならではの今日風の味付けをする工夫、それが「また聞いてみよう」と思わせる魅力でもある。
(http://kogotokoubei.blog39.fc2.com/blog-entry-670.htmlより転載)
二席目の長屋の花見に一之輔師匠の真骨頂が見られた。
2012年8月に刊行された『一之輔、高座に粗忽の釘を打つ』という初の書籍に出ていた言葉だが、高校で同級生と二人で落語研究会を始めたという。その同級生の前で落語を喋るというのが原点で、大学もご多分に漏れず落研に所属し、ワイワイガヤガヤとやっていたそうだ。
そのノリが『部室落語』という言葉で表現されていて、なるほど長屋の花見は、オリジナルのくすぐりを鏤めながら全編、やいのやいのとお賑やかに噺が転がって行く。
小三治師匠がいう登場人物が蠢いていて、爆笑編だった
(http://ameblo.jp/donta08848/entry-11787405410.htmlより転載)
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