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そば清(そばせい)
●ソバを13枚食べたのを見ていた客が、今日は15枚食べられないかとけしかけた。身体が調子良かったので食べられたが15枚は無理だというのを、1分(ぶ。=1/4両)付けるから挑戦してくれと、強引に頼んだ。さらっと食べて1分持って帰っていった。
15ではダメだから20枚で賭をしたらと言うので、イヤイヤ請けて、これもさらりと食べて、2分受け取って帰っていった。
翌日30ではどうかと言ったが、それは無理だと言いながら、再び平らげて1両持って引き上げて行った。
それを隣で見ていた人に笑われたので聞くと、ソバ好きで有名な、清兵衛さん、人呼んで”そば清”だと言う。普段かるく50枚は食べるので有名だという。
みんなで相談し、3両の金を作って60枚で賭に挑んだ。江戸時代の3両だから、やりたいが未知の枚数だから、清兵衛さん55枚ならと言ったが、60枚でと譲らなかった。
清兵衛さんは1ヶ月ほど信州に商いに行っていた。その道中で、ウワバミが出て人を飲み込んだのを目撃してしまった。ウワバミはあまりにも大きなものを飲み込んだので、苦しがっていたが、近くの草を舐めると腹が引っ込んでしまった。ウワバミも消化を助ける草を知って居るんだ、と感心しながら、その草を摘んできた。
信州では70平らげたから、江戸でも70枚に挑戦してみたいと、清さんに逆提案されてしまった。賭金を集めて5両とした。
30,40,50枚とサラサラと食べていった。60・・・・65枚になって回りがザワザワしてきた。残り2枚となった。さすがの清さんも苦しくなって、縁側に出て風に当たりたいという。障子を閉めると、何かを舐めているような気配がしたので、声を掛けると返事がない。
障子を開けて見ると、清兵衛さんは何処にも居ないが、ソバが羽織を着ているだけであった。
清兵衛さんはウワバミが飲んだのは消化薬だと思っていたが、実は人間だけを溶かす消化薬だったので、清兵衛さんを溶かして、ソバが羽織を着ていたのでした。
(http://ginjo.fc2web.com/123sobasei/sobasei.htmより転載)
まず一席目はさん喬師匠。鞍馬獅子に乗ってうつむき気味に出てきたとき、なんだかたまらなく嬉しくてニコニコしてしまった。あら? でもプログラムでは一席目が喬太郎さんになっているけど? 師匠曰く「喬太郎は前の仕事が押して今楽屋でふーふーいって休んでいるから先に出た」。(あとで喬太郎さん曰く、「師匠が『片方は楽したいから先に出る』といった」。さて、真実はどっち?)
季節の食べ物の話になったので、ピンとくる。「そば清」だ。何度も何度も聴いているけれど、あの「どぉも~」はおかしくてたまらない。今日はとくに清さんが30枚食べるところのおかしさったらなかった。食べながらしゃべり、しゃべりながらすさまじい勢いで蕎麦をすする。ああ、笑いすぎて涙が出たよ~。
(http://torajiyama.blog.fc2.com/blog-entry-205.htmlより転載)
さん喬「そば清」、いきなり「喬太郎独演会にようこそ」で客席を沸かせる。
師匠と売れてる弟子との関係というのは、結構ビミョーなものなんだろうなと想像する。実際に今日の客の6-7割は喬太郎目当てだろう。
出番がプログラムと入れ替わったのは、さん喬が1席目に軽いネタをかけるからとのことだった。
さん喬はいつも通りの丁寧な演出で、若手の教科書になるような高座だった。
マクラで季節感の話をしていたが、落語では師走や正月、春と夏のネタは多いが、秋に因んだネタというのは少ないように思う。秋はお笑いに適さないのだろうか。
(http://home-9.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/2011101-c3c5.htmlより転載)
※DVDには「そば清」は収録されていません。
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落語一日一席 古今亭志ん朝(三代目)