素人鰻(しろうとうなぎ)
●元武士の主人が汁粉屋を始めたいと思っていたが、鰻さきの金に勧められて鰻屋を始めることにした。酒癖の悪い金ではあるが、酒を断ったので頑張るという。開業の初日、仕事が終わって、めでたいからと呑ますと、酔わないときは誠に良い職人であるが、その内に酩酊してきて前後が判らなくなる。主人に毒づいて飛び出してしまう。翌日、心配していると 仲の”馬”を連れて帰ってくる。その日は又元気に働いて、日が暮れた。主人も喜んでいるところ、又酒を呑んで飛び出してしまう。翌日も同じで、ついに金は帰ってこない。
主人自ら料理するという。客が来て鰻を注文すると、その鰻を捕まえることすら出来ない。悪戦苦闘の末鰻を捕まえたことはいいが、鰻は手の中で右往左往、鰻に合わせて主人も右に行ったり左に行ったり、
奥方が「いったいどちらに行かれるのですか?」
「前に回って、鰻に聞いてくれ!」。
(http://ginjo.fc2web.com/024siroutounagi/siroutounagi.htmより転載)
「素人鰻」は、文楽演出で泊まってしまい、残念ながら、これを超える後輩たちの演出はお目にかかっていない。誰か、この噺を現代に生かして改造してくれないものだろうか?
(Amazonカスタマーレビューより転載 ママ)
土用の丑の日が近づくと鰻の出てくる落語が聞きたくなります。黒門町の「素人鰻」を久しぶりに堪能しました。
文楽師のおじいさまは徳川家の御典医だったとか。お父さまの代に商売に手を出していれば「素人鰻」そのものなのですが、そうはならなかったようです。
鰻割きの金が実にいいですね。酒癖が悪いことは自覚していて、三年酒を断つと金比羅さまに願をかけたという、殊勝なところのある金なのですが……。
…黒門町が演じている姿が見たくなってきました。幸いなことにDVDのボックスセットが出ています。落語のDVDは枝雀さんのものしか持っていないのですが、買っちゃおうかな。
(http://d.hatena.ne.jp/asahitei/20130722より転載)
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